理想の靴をお届けするために

「和靴」というブランド名は、私たちの理想を掲げたものでもあります。その理想を日々の業務に活かしていくために、基本的なサービスポリシーを以下のように設定しています。

ハンドソーンウェルテッド製法を核とすること

当社は、靴の基本条件として「お客様の足に理想のフィット感を実現する」ことと、「人生を共に歩める一生もの」であることを掲げています。
そのために、ハンドソーンウェルテッド製法を核として定めました。
この製法は、最も伝統的な製法といわれるもので、履き続けるほどにフィット感を増していくことが特長です。

また、靴の上部に負担をかけることなく、靴底の張り替えが可能なため、修理を重ねることで一生履き続けられるという利点があります。
ただし、コスト的には他の製法と比較して割高になります。
もちろん当社では、お客様のご要望があれば他の製法でもお作りいたします。
ただ、ブランドのサービスポリシーとして、ハンドソーンウェルテッド製法を中心に設定していることを掲げさせていただいております。
ご要望の際には、お気軽にご相談ください。

すべて手造りのオーダーメイドであること

当社のお作りする靴は、すべてオーダーメイドです。
お客様の足に理想のフィット感をお届けすることが目標ですから、足の採寸から木型の作成、デザイン、靴の製作まで、すべてお客様の大切の一足のためにサービス体制を設定しています。
プロとしての知識をお客様のニーズのために、フル活用するための体制と考えています。

そして、極力機械を使わずに手造りを目指すということも、私たちにとっては大切なポイントです。
機械を使うことで工程上の自由度が限定されることを避けることもありますが、最も重視していることは作り手の職人の発想や感覚を広げていくこと。
職人のこだわりを可能な限り引き出すためには、作ることそのものを楽しむことが大切だと考えているのです。

お客様の靴をお作りすることが、私たちの喜びなのです。

一人の職人が一足のすべてを担当すること

最後に、一人の職人が、お客様からオーダーがあった一足の靴のすべてを担当すること。
当社は、分業制度を採っていないのです。
お客様からご相談を承った職人が、採寸、デザイン、木型の作成から、靴の製作まですべてを一人で担当します。

効率を考えれば、分業制にすることが良いのかもしれません。
しかし、私たちは、効率を追求することで失われる「喜び」が無くなることの方を恐れます。

お客様の期待を越えるために、すべてのことをできるようにしておくこと。
それは、職人専任制でなくてはできないことだと、私たちは考えています。

一人の職人がお客様の靴のすべてを知っていること。

これは、長くお付き合いさせていただく中で、必ず蓄積が変わってくるはずです。
靴の修理を手掛けさせていただく場合にも、大切なことを見落とすことなくサービスに反映できるはずです。
ですからお客様も、お客様を担当させていただく職人に、なんなりとご相談ください。

これらのことは、私たちが本当の「和靴」と言っていただける一足を、実現していくための基本です。私たちが靴職人として持っているすべてのものを、お客様の一足のために注ぎ込めるようにすること。このことを第一に考えて、これからも努力続けてまいります。