靴職人として持っているすべてのものを、お客様の一足のために注ぎ込んでいます。

靴用のミシンを使いアッパーを縫い上げています。
また、革に負担のかかる部分には、「かんどめ」と呼ばれる手縫いにより、太目の麻糸で縫い上げています。
この糸にはチャン(松ヤニ)を塗り込み、強度を保っております。

モカ部分には、ライトアングルと呼ばれるスキンステッチを施しています。
これは、革の銀面近くに針を通し、革内部に糸を通すことにより、革表面に糸を浮き上がらせる特殊技術です。

靴の外周に見える縫い目を出し縫いと呼びます。
これは、本底とウェルト部分を縫い付ける大切な役割を担い、また縫い目が見えるために、丁寧かつ細やかに仕上げる必要がある重要な部分です。
当工房では、1インチあたり10目という細かいピッチ(一目あたり約2.5mm)で縫い上げております。

バックシームには、パラレルと呼ばれるスキンステッチを施してあります。
通常は、ミシンで縫い割る部分をスキンステッチにて、結合させています。
革内部に糸を通すことにより、革表面に糸を浮き上がらせる特殊技術です。

ヒールと本底部分は、ガタつくことなく、地面に接しています。
ヒール部分が地面から浮いている靴は、履いた際に、下から突き上げられるような感じがあり、履き心地がよくないものです。
これは靴を作る際に靴の反り返りを計算せずに作ってしまっているからですが、当工房の靴は、ガタつくことなく、地面に接しています。
これは、安定性の高さを証明し、極上の履き心地を実現するものです。

ウェスト部分の真ん中を強調させる技法です。これを施す事により他の作業(ドブおこし等が難しくなり、高い技術を必要とします。

ヒール部分は、地面に向かうに従って、緩やかなカーブを描くピッチド仕様になります。
また、ヒール上部には、踵車と呼ばれるギザギザの飾りを入れています。
これを入れるのは非常に難しく、技術を要します。

中底表面に見られる無数の穴は、釘による跡です。これこそがハンドメイドの証です。
釣り込み作業が手で釘を打ち込むことにより行われているためです。
また、中底は5mmほどの厚みを有し、履くほどに沈み込み、靴を履いている本人の足型をコピーしていきます。

本底の外周を熱ゴテをかけて、まるで額縁で飾っているかのように見せる意匠をさします。
これは、靴を作る上での最終作業になります。
額縁仕上げを施すことで、靴底が締まって見えるのです。